NMNの引き渡し。
NMNは、実の事、引き渡し間近で工務店差が倒産するというハプニングがあった。
不幸中の幸いで、ほぼ完成していて残された工事は細かい所の微調整や手直し等。
といっても、細かい施工が各工種に渡ってあり、それぞれを一つ一つお願いするしかない。
この問題が起きたのは2月。
まずは施主に所有権や保険を戻す作業から始まり、残された作業範囲の調査、そして作業をどこにやってもらうか工務店探し。
工務店としても、この手の事は皆やりたがらない。
責任の範囲でもめるからだ。
そしてどうしても割高になる。
ここで僕が「仕方ないですね」と言ってしまえば、施主が泣く泣く、新たな工務店に高額なお金を出すハメになる。
できる事とすべき事は何か。
ウチがやるしかないね。
ということで、NMNは2月から半分以上の作業をウチが行なった。
ウチではできない部分は、直接業者に発注したりして。
正直、この5ヶ月間は、物の手配に作業者の段取りと他の仕事をストップするしかない期間が続き、
週末も連日現場に通った。
そして今日、キッチンの天板の作り直しで最終。
これも工務店が最後に行なった作業で、僕的にはどうも仕上りが気に入らなかったのでやり直すこととしている。
しかし、うまく天板が外れ、既存の状態にぴったり合うかが心配で仕方ない。
前日からドキドキ。
結果は、うまくいった。
これでとりあえず一度終了。
これまで施主も思わぬハプニングに見回れ、気持ちも疲れたと思う。
それでも明るく振る舞う姿に、感謝したい。
これまで色々と乗り越えてきた自負があるものの、個人的にも事務所的にも、かなり堪えた感があるが、ようやく引き渡せた事に、心の底から「終わった〜」という気持ちと少しだけ感動し、帰りの車でこれまでの事を回想する。
施主・施主のご家族、事務所のスタッフみんな、それと協力してくれた施工者の方々に感謝を言いたい。
本当にお疲れさまでした。
そしてありがとうございました。
土田
今日は、千葉のIDYで取材。
メディアに取り上げて頂く事は大変光栄だが、TSCの引き渡しがあるので、IDYの施主にお願いをして、
平塚に向う。
引き渡しといっても、今日も施主と一緒に塗装する。
早くも施主の手慣れた感が増し、手際がよい。
細かい所にも手をつけ、いよいよ終了かな。
施主が準備してくれた おせんべいをかじりながらのカルピスが2倍増しで最高にうまい!
結局夕方までかかり、終了。
来週、カギの引き渡しとなるが、形式的な感じなので、事実上、今日が引き渡し。
帰りの車で、初めてご家族と顔合わせをした時からこれまでの事が回想される。
カーステから流れるハナレグミの「家族の風景」のギター音が助長し、余計にジーンとくる。
歌詞はあまり関係ないが、音ね。
仕事って、人と人なんだ。
それって月並みではあるが。
でも、お互いが信じ合って、そして僕達は期待値を超えるところに契約が交わされると思う。
それは設計の内容もそうだが、どこの事務所でもやらないような手段をつかって、誰よりも一物件に時間を費やすというところも僕は重要視している。
完成される物は、僕の場合はいつも「不完全であるべき」と考えているし、そして一生懸命やっても完璧にはできなかったりする。
重要なのは、設計と作られるプロセス、そして施主のこれからの生活に少しだけだけど可能性を広げられるか。
施主の前向きで凛とした姿勢の中、仕事をさせてもらった事は、とても幸せである。
今後も、しばらくは何かと伺うと思うが、これからもずーっとお付き合いして行きたい。
今日一日は、寂しさに浸ることとする。。。