長ーい長い道のりを経て、ようやく真っ白な街サントリーニ島(ティア島)へ到着。
島の断崖絶壁は赤褐色。
島の上には、雪が積もったように、白い建物が張り付いている。
花の色・店先に並んでいる果物・洗濯物にカーテン、何気なく点在している物が良い風景を作り出す。
気候が暖かく、真っ青な海にもやっと出会えて、旅前半の苦しさも中和されるかな。
建築の一つ一つは、荒い仕事で、とてもプロの仕事とは言えない。
そう、そもそも素人の仕事。
素人が、何度も何度も上塗りしたり、継ぎ当てだらけで、なんとか雨風をしのいでる。
でもそれがいい。メンテは大方自分でやる事に意義がある。
父親が作業し、子供に伝えていく。
それは、技術を教えるだけでなく、物・事を愛する気持ちを伝えることになる。
日本のように既製品だらけで、誰が作業しても、悪くもなく良くもない、無機質なものとは大きく違う。
高度成長期に日本が作り上げた画一的に平均値を求めた結果は、生活の安定化に平均値をもたらしたが、
現場職人のモチベーションと技術力を奪ってしまった。
同時に、既製品の組み合わせの為、素人がメンテがしにくくなってしまっている。
既製品に頼らず、製作品を追求する僕としては、製作品でも精度の高さを要求する。
しかし、ここの建築を見ると、そんな細かなことではないのかなとジレンマが起きたりする。
人の手を感じる建築は、必ず残っていく。
そして残していかなければいけない。