ベンチのある空間ってのは、なんか良い。
それは、そこに「人」が留まる空間だからだと思う。
例え、今そこに誰も座っていないとしても、なんか体温を感じる。
特に無造作に置かれた外部空間はいい。
個人の物だけど、誰でも座れる半公共的というか、曖昧な空間はベスト。
それは、建築家やプロダクトデザイナーがデザインした美しくかっこいい椅子という事はどうでも良くて、ボロかろうが汚かろうが、腰がかけられればいい。
そこに誰でも座れて、少ししたら別の人が座って。
つまり、主が広い心で提供してくれていて、遠慮なく誰でも座れる感じってのがいい。
昔は商店街などにも、店の主が勝手に置いたベンチがあったもの。
そこには、買い物袋を持ったおばちゃん達が座って、ずーと話し続けている。
これも町の風景で、立派な絵になる。
今は、お役所が設置した無機質なベンチがある程度で、極めて少ないし、そこに心は感じない。
昔住んでいたマンションの屋上に、使わなくなった僕のベンチベッドを運び、マンションの人達と花火を見ながら飲んだりしたことがある。そのまま、そのベンチはマンションの人達が自由に使う事になったが、1ヶ月で管理人に廃棄されてしまった。
人が留まる空間を作らないと不足がちなコミュニケーションは、生まれていかないのになーと最近思う。
風のない気候の良い日に気持ちよい山下のBLUE BLUEのベンチ。