本日、SOR_office renovationの引き渡しでした。
設計期間・施工期間・予算も、相当厳しい中でしたが、それはそれで一つのチャレンジでありました。
引き渡しに当たり、この状況の中、工務店の方々を初め、クライアント様もさぞ大変な思いをされたと思います。
深くお礼致します。
この計画は、ITベンチャー企業の引っ越しに伴うリノベーション計画でした。
IT企業でありがちな、コミュケーションまでがPC上で済んでしまう既存環境。
飽和状態にあるIT企業の中、今後の躍進を実現する為の計画となるよう、様々な分野(企業コンサル・・企業マネージメント・金融など)の人間が集まりブレイストーミングを通した意見交換からスタートしました。
そこで、今後サービスなどのよりソフト面を開発していく上で、社内の密なコミュケーション無くしては、「発想・知」という部分で成長は見込めないだろうと考え、いくつかの仕掛けを行う事で、社内でのヒエラルキーを良い意味で無くし、ナレッジワーカーとしての意識改革を目指しました。
この賃貸物件は、既にしっかりリフォームされた状態にあり、また地下であるがゆえ防水上の問題、更に不動産契約上の現状復旧での返却条件が当然あった為、既存状態の内側にもう一皮加える方法で、それらを撤去すればすぐに元に戻る内容としています。
色々検討していく中、公園のような自由性を高める空間で、そこでは座り込んでディスカッションが始まったり、寝転んで本を読んだりと、より個人の自由性の意識を高め、自然発生的にコミュニケーションが生まれる空間を目指しています。
来客スペースですら仕切りの無い空間では、社員は来客の顔を直に見る事ができ、プロジェクトへの意識向上へつながります。
また、人工芝でつながれた一体空間では、方向性の無い円形テーブルをランダムな配置にすることで、そこではヒエラルキーが打ち消され、全員に同じ責任のある平等な空間となっています。
ちょっとしたルールも作ってみました。
・昨日の席には座らないルール:自分のデスクを持たず、日々違う席に座らなければいけない。
・靴を履かないルール : 芝生内は靴を脱ぎ開放性を高め、更に今までの既存の関係性を払拭する意識付け。
建築的に美しく・機能的にという「ハコ的」なことではなく、もっと「コト的」な、ここでコミュニティーが生まれ、ここで知識を共有する等、より有機的なソフト面を意識したプロジェクトとなりました。