IKSの引き渡し。
といっても、今回はレアケースで自主施工が大量だった為に、それが続引き、形式的に今日が引き渡しなる。
農振除外から始まったこの仕事。
長く、何度現場に通ったか、もう数えようがない。
交通費いくらかかったんだ?
まあ細かいことはいいか。
この遠い道のりも、もう来る必要性がなくなるんだな。
毎度毎度だが、引き渡しを行うと喪失感でいっぱいになり、脱力感が込み上げる。
ここまでは、我が子のように育てたこの建物も、施主へと引き渡され、今後は施主が育てていく。
長い時間によって物体は劣化する。
しかしそれは人の心が通っていれば、淡々と進む劣化ではなく、「良い朽ち方」へとなっていく。
引き渡した夜は、必ず母親に電話を入れる。
「今日つくば引き渡しました」
「お疲れさま、施主に感謝しなさい」
「はい」
と、儀式みたいに毎回こんなやりとりをして、物件の終了を迎える。
施主を始めとし、係った皆さんにお礼を申し上げます。