周囲は、窮屈に建物が立ち並び、北側ひな壇の土地。
そんな周囲の環境と住戸の環境を、建築することによって、同時に良好にすることを目指している。
まず、敷地の支持層が北側傾斜であった為、それに逆らわず傾斜なりに埋めることで、無駄な地盤改良を避けることとしている。
道路面からは、極端に低い平屋建てに見え、周囲に落ちる影が軽減されることとなる。
また、奥に長い敷地に対し、深さの異なる3つの縦穴を建物内に貫き、深さの異なりから温度差を生じさせ、温度差換気による空気の流れが起きることとなる。
それは、それぞれに室内の奥へ光も導いてくれる。
長く奥深い建物では、室内環境のムラが起きがちであるが、セノーテのように陥没した深さの異なる3つの縦穴によって、環境ムラを軽減し、そして周囲の環境も維持することとなっている。