施主の要望は、「9台分のガレージ」「1台の愛車」「リビングの大きな木」であった。
ヒューマンスケールであるそれらは、居住空間に同席させた瞬間にスケールアウトを起こす。
そこで、地階にはガレージ、地上階には可能な限り大きなLDK、その他の部屋を立体的に浮遊させることで、より大きなLDK空間を実現している。
それによって、スケールアウトした空間が適度なスケール感を取り戻すこととなっている。
また、ランダムに浮遊するボックスの高さの異なりによって、その下部では「くつろぐ空間」「食べる空間」「本を読む空間」と見えないボーダーが生まれ、その時々の居場所を作り出し、自分の居場所や光の変化によって見え方や景色が変わることとなる。
「愛車」「高木」と同居し、スケール的な問題を解決しようとした結果、それらが揃うことで成立した住宅となっている。