外国人慰留地であった横浜山手に120年以上前に建設された認定文化財である洋館の離れ。
オーナーは仕事場として、再び使用できるように修復を依頼してきた。
既存の状況は、建築と土木が1つになっているような状態。
土留めレンガ積み擁壁にへばりつくような状態で、3面が建築の壁であるものの1面は擁壁を壁として利用し、その上に仕上げがされていた。
このレンガ積み擁壁からは、雨が降ると雨水がにじみ出て、建物を痛める原因となっていた為、仕上げることをやめ、そのまま外部へ排出する水みちを作ることとしている。
木造部の構造的な補強は、外壁には触れずに内側から一つ一つ手作業で行い、協議を重ねながら、その場での決定を行なっている。
不完全であるこの建物は、使い手によって状態を維持していくこととなるが、不完全であっても維持されていくことが重要だと考えている。
今では私の事務所として使わさせて頂いている。。。