東側には電車が走り、南側には通りの多い道路と大きなマンション。
施主との雑談の中から、ご夫婦共に「空を眺める事が好き」という抽象的だけど、なんとも素敵な言葉が印象的で、周囲の雑踏から逃れ、落ち着いた気持ちで空を眺められる家を手掛けたいと思った。
まず、普段使いの部屋とそれほど日常的に使わない部屋をゾーン分けし、その分けた間に光と風を導く路地(アレイ)を設けている。
平面的にハの字型のアレイは、上部に大きな吹き抜けを持ち、外部からの視線と音を遮りつつ、採光を反射によって引き寄せてくれる。
そして、トリミングされた美しい空をここで見上げることができることとなる。
建物内部は、水周りのコアを中心に回遊を持たせ、行き止まりのないプランとなっているが、それは外部に出ても同じく、建物周りを回遊できるようになっており、敷地の中に行き止まりのない構成となっている。
家族は周囲の雑踏から逃れ、忙しい日々の中で貴重な家族の時間を過ごす。
そして、ふとした時に綺麗な空が見れたら幸せだと思う。