企業の社員寮である。
設計段階から、首都圏の建設作業員不足を念頭に、構造設計者及びメーカーなどを巻き込み計画を行うこととしている。
まず、型枠業者不足を解消する為に、躯体の現場作業を減らし、工場で製作できるプレキャストコンクリートを採用することとしている。
それらを有効に機能させる為に、全ての部屋のプラン・構造を1mmも変えず、全て徹底して規格化することで、作業効率及びコストメリットも並行して有効化することができている。
また、ファサードのカーテンウォールは、一般的な定期メンテナンスを必要とされるものだが、建物の性質上、細やかなメンテナンスを必要としない溶融亜鉛メッキ鋼板をリン酸処理することで、所有者の負担を軽減している。
依頼主の時間的な要望と、建設業の社会的な問題を縫い合わせるようにして、それは実現している。