本園である幼稚園から道路を挟んだ土地に建つ保育園。
両者が道路によって分断されず、同一の空間で「学び・働く」を感じれる空間が重要であると感じた。
そこで、幼稚園の園庭が「両者を繋ぐ場」であると捉え、園庭に向かって奥行きの深い外気空間アレイを各階に設け、その空間は八の字型で園庭に向かって開くように配置した。
また、本園の園庭の木々が敷地を越境している効果によって、各階のアイラインでは園庭の中に吸い込まれたような錯覚を得ることができ、より園庭との一体感を感じ取れるようになっている。
2棟に分節された建物のそれぞれの間口は、ちょうど近隣の住宅の間口サイズになっている。
それらは、周辺と足並みを揃えることとなり、街のスケールに違和感を感じさせない佇まいとなっている。
既存の園庭・樹木・アレイといった非建築的な要素によって、「道路」という強いインフラの存在を弱め、学園全体に一体感を生み出そうとした計画となっている。